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SVB倒産からの仮想通貨市場の強気相場はなぜ起きたのか?

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昨今話題になっているアメリカのシリコンバレー銀行(通称SVB)が経営破綻に陥り、金融市場に大きな影響を与えました。

一時的には大きな混乱を招いた事件ですが、現在の金融市場においてマイナスな面だけでなく、ビットコインの急激な上昇、ゴールドの価格上昇など、先物市場においても上昇傾向が強い印象です。

つまり他の市場にお金が流入しているわけです。

なぜこのような現象が起きているのか?

事の発端から市場動向を分析してみたいと思います。

SVB倒産の真相

そもそもなぜ米銀SVB(シリコンバレーバンク)は経営破綻に陥ったのか?

シリコンバレーのスタートアップ企業やベンチャーキャピタルなど大口の法人の預金を集め、融資をすることで成長してきた銀行です。

破綻の真相は、

  • 金利上昇によるSVBが保有する「長期の国債」の資産価値が急激に下落したこと
  • 一斉に預金者が預金の引き出しを行、取付騒動が起きる

この2つが重なってしまい、資金が回らなくなってしまい、破産せざるおえない状況に。
銀行にある現金の大半を投資に回しているので、キャッシュがなくなり、倒産にまで発展してしまいました。

今回の騒動でSVBは破綻しましたが、預金者の預金は保証されることが決まっています。

潜在的な原因は、SVBが保有する資産の半分以上が債権投資に充てられていたことです。

債券は金利上昇に対して、価格が下落する特徴があるため、昨今の金融引き締めによる政策金利の上昇のダメージを大きく受けてしまったことです。

根底には資産のポートフォリオの半分以上を長期国債という動かせない資産で保有し、一時的に大きな資産の目減りが引き起こした事件とも言えます。

国債は、国が資金を集めるために発行する債券で、いわゆる「国の借金」です。

長期国債は利回りが設定されており、期間はまちまちですが、5年の国債の場合は、5年後に利回り分のお金が支払われます。期間が長いほど、利回りが高いわけですが、期間が長ければその期間は資金は動かせません。

国債は基本的に流動性の少ない安全資産の特徴もある金融商品ですが、昨今のアメリカの金融引き締めの流れが国債においては大きくマイナスに働いていました。

日本とは違い、アメリカはコロナ以降金融の緩和から引き締め傾向にあるので、ある意味防ぐことができたかもしれない事件だったのかもしれません。

それくらい資産のポートフォリオの大半を占める金融資産にはより注意が必要ということです。

アメリカのFRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ抑制のため、急激な金利を上げている状況がダイレクトにSVBの資産にダメージをもたらしてしまった流れです。

SVB側がその事実を公表したことで、一気に取り付け騒ぎが起こり、倒産するまでに至ったようです。

急激な金利引き上げの理由

アメリカ政府は、急激に金利を引き上げたわけですが、これはインフレを回避するためです。
昨今日本でも物価上昇のニュースや円安と相まって、大きなニュースになっています。

アメリカでは物価上昇の影響が顕著で、物価だけが上がれば、ダメージを受けるのは国民です。
日本でもその影響は出ていますよね。

アメリカはその分賃金も上がりますし、銀行金利なども引き上げないと、多くの国民にダメージを与えることになるので、国としても対策しています。

金利の引き上げは、プラスな面もマイナスな面どちらもあります。

  • 金利を上げる
    →インフレ抑制。しかし今回のような銀行が大きなダメージを受ける。
  • 金利を下げる
    →インフレが加速。国民の負担が大きくなる。

経済状況によって、金利の調整を政府主導で決めているわけですが、今回はSVBにとっては最悪のタイミングでした。

ビットコインやゴールド上昇の理由

今回の騒動で、株式市場にはマイナスな影響を与えていますが、ビットコインやゴールド市場では大きく価格が上昇しています。

特にビットコインはこれまで少しずつ相場も回復の兆しがある中で、300万円のラインで価格が推移していました。事件直後では一時的に270万台まで下落しましたが、1週間ほどで360万台まで上昇しています。(※2023/3/18時点)

ゴールドも大きく価格は上昇し、価格は2000に届くほどです。

なぜこのような状況が起きているのか?

考えられる可能性は2つ。

  1. 債券や急激な金利上昇によるリスク回避による別の金融市場からの資金の流入
  2. 経済的な突発的要因で混乱が起きた際、価格が上昇する性質を持つ金融商品に資金が流れた。

ゴールドは特にその特徴が顕著で、ドルとの逆相関性で推移していることが多いのも特徴の一つです。

コロナやウクライナ戦争勃発時も、ゴールドは大きく上昇し、今回のタイミングでは当時の価格に迫るほど急激な上昇をしています。

>>ゴールドトレードを始める前に知っておくべきこと[金の相場を把握する]

ビットコインは、一概にその影響を受けているかは断言できませんが、今回の騒動の原因は急激な金利上昇における銀行の破綻なので、その影響を受けないであろう金融資産として「ビットコイン」ひいては仮想通貨市場にリスク回避としての資金が大きく流れていると推察できます。

>>ビットコインから始まった仮想通貨とは?

とにかく、投資の世界はあらゆる経済の出来事が密接に繋がっていると思い知らされた事件でした。

この事件をきっかけに仮想通貨市場はかつての勢いを取り戻せるのか?

日々動向をチェックしていきたいと思います。

タイミング的には買い増しには持ってこいとも言えます。
この機会に仮想通貨を資産のポートフォリオに入れてみるのもリスク対策としては一つの方法かもしれません。

仮想通貨、ビットコインに興味のある人は是非こちらをご一読してみてください。

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