昨年2022年の仮想通貨市場は近年稀に見る大きな出来事(もはや事件ばかり)が重なり、市場の価格に大きな影響を与えた年でした。
ここ1,2年で仮想通貨銘柄を長期投資目線で持っている人の9割は、含み損あるいは損切りを余儀なくされた1年だったのではないかと。
複数の仮想通貨銘柄を現時点で塩漬けしてる自分ですが、、ただ今の所損切りをしようとは思っていません。
かくいう自分もNFTが注目され始めたタイミングで仮想通貨に興味を持ち、仮想通貨に触れて始めたわけですが、とにかく情報を追っていくことにかなり大変だったことを思い出します。
特に今年は仮想通貨は業界に歴史を残すほどの出来事がありました。
全ての投資家にまだまだ未成熟な市場という現状を突きつけられました。
2023年ひいては今後この分野がどのように進んでいくのか?
今後投資する対象としてどうなのか?
投資してきた観点からまとめていきたいと思います。
冷めきっている状況に見えますが、振り返ってみると今後の相場の動きはそこまで悪くならないんじゃないかという感覚です。
激動の1年を迎えた仮想通貨市場
コロナ禍の中でも仮想通貨市場は特に過熱し、NFT、DeFiなど新しい技術が注目集めるなど、日々目まぐるしく新しいプロジェクトが立ち上がり盛り上がりを見せていました。
仮想通貨を法定通貨にする国家が出てきたり、ウクライナとロシアの戦争勃発時にはウクライナへの支援を仮想通貨で迅速に寄付することができたり、新しい貨幣の使い方が世界で目まぐるしく変化してきています。
DeFiやメタバース、GameFiなどを皮切りに過熱期から現状全てかなり下火になりつつありますが、2022年には国内の企業がWEB3分野への参入が続いており、少し海外勢との動きも違うかなと個人的には考えています。
日本発のCryptoNinjaプロジェクト2次利用コンテンツのCNPなどは販売価格0.001ETHから現在OpenSeaでは2.63ETHと2000倍以上価値が上がっています。(※2023年1月5日)
厳密にはETHの銘柄が大幅に下落(当時の半値以上)しているので一概には言えませんが。
法人課税における一部見直しなど、税制についても大きな動きがありました。
仮想通貨に前向きな出来事が続いてきていましたが、2022年には特に仮想通貨界の歴史的大事件が度々重なってしまい、ほとんどの仮想通貨銘柄は低迷が続いており、2023年ひいては今後どのような動きをしていくのか、誰もが気にしている部分だと思います。
歴史的大暴落を起こした要因
2022年における仮想通貨マーケットに多大な打撃をもたらした事件は大きくは2つあります。
- ステーブルコイン「テラUSD」暴落
- 大手仮想通貨取引所FTXの経営破綻(破産)
しかし、この業界かなり複雑で一概に2つということではなく、根本的な問題が露呈してきていると見ている人も多いので、この1年で仮想通貨分野から退場せざるおえない人も多かったはず。
テラショックを発端に、セルシウスショックと言われる事件にも繋がってしまいます。
ステーブルコイン”テラUSD(UST)”暴落(テラショック)
ステーブルコインとは、法定通貨の価格と同価値に固定され、仮想通貨を現金化する際のボラティリティのリスクを補う為に広く利用されている仮想通貨です。
時価総額ランキング上位のBinanceが発行するBUSD、テザー(USDT)、USDCなどは米ドルとのペッグ通貨です。
ステーブルコインは大きく2種類あります。
ステーブルコインの価値の裏付けのため、同等の米ドルを資産として確保する担保型とアルゴリズムを利用した無担保型があります。
アルゴリズム型ステーブルコインの破綻
無担保型で韓国発のステーブルコイン「テラ(TerraUSD)」が1ドルとしての価値を担保できず、その価値をほとんど失いました。
テラはテラブロックチェーン上のDeFiが急成長したことにが大きな理由です。
一時は、テラブロックチェーンの預かり資産(TVL)はバイナンススマートチェーン(BSC)を抜いて、イーサリアムチェーンの次点に来ているほどです。
テラのDeFiプロジェクトである「アンカー」が最も人気のあるもので、発端はこのアンカーからの大量の資産引き出しからドルとの連動性を失ったことにあります。
1ドルが10セントまで大暴落してしましました。
この事件が起因して、アルゴリズム型のステーブルコインへの信頼は一気に下がる事につながっています。
テラだけでなく、ビットコイン(400万円台から300万円台に下落)や仮想通貨市場全体の暴落につながり、一時価格は戻る気配を見せていましたが、2023年初ではビットコインはさらに下落しており、200万円前半を推移しています。
セルシウス事件(セルシウスショック)
テラショックを受け、この事件が波及してしまう形で、セルシウスショックとも呼ばれた事件も相場に大きな影響を与えました。
それまで高い金利が話題だった独自ブロックチェーン「Celsius Network」上で仮想通貨を担保にした貸付などを提供。
独自プロジェクトの破綻
いわゆるDeFiサービス「Lido Finance」にイーサリアムを預け、その裏付け通貨として「stETH」を受け取れます。基本的にEHTとstETHは連動しているトークンですが、テラUSDの暴落をきっかけに、EHTとstETHの価格が乖離し始めました。
DeFiのリスクとして、相場に大きな価格変動が起こり、stETHの価格が下がると、担保にしている仮想通貨が強制的に精算される仕組みになっています。
セルシウスが発行するstETHは、市場の大部分をセルシウスが保有しているため、取引の一時停止を行いました。
結果、投資家からは支払い能力不能と危惧され、仮想通貨全体の相場の下落に繋がります。
この事件での市場の急落とヘッジファンドの債務不履行が報道されるなど不安要素が明るみになり、2022年7月に破綻にまで追い込まれてしまいました。
FTX事件(FTXショック)
まだ記憶に新しい現在も世界的に騒がれている世界的最大手の仮想通貨取引所のFTXの経営破綻。
グループ会社のアラメダ・リサーチの財務状況の疑惑、同じく大手取引所BinanceのトップのCZ氏のTwitter発言、コインポストのリークなどを皮切りにあっという間に情報が拡散され、破産にまで発展し、創業者のSBF(サムバンク・フリードマン)は逮捕されました。
顧客資産の私的流用
当時から多額のお金を様々な分野へ投資、寄付しているものと見られていたが、実情は顧客の預かり資産を私的流用していたというのだから、耳を疑うほどの大事件です。
FTXへの預かり資産(顧客資産)を不正流用。
政治献金への流用や詐欺資金洗浄(マネーロンダリング)など、8つの罪状で起訴されています。
アメリカでは量刑に上限がないため、終身刑の可能性すらあると報道されています。(現時点で有罪判決で最長115年)
最大手ということもあり、債権者は100万人を超え、負債は4400億円を超えるとされており、子会社の資産35億ドル(約4600億円)をバハマ当局が差し押さえている状況。(2022年11月22時点)
破産手続きをしている以上、顧客資産も現時点で動かせない状況になっています。
異例と思われたのが、FTXの日本法人FTX Japan (元々は日本の暗号資産取引所Liquid)に関しての顧客資金に関しては、アメリカの破産手続きの範囲には含まれず、日本の顧客資産に関しては2023年の2月中旬から返金を開始すると発表しています。
FTX Japanの預かり資産は約60億円のようです。
これまで日本の暗号資産取引業は世界と比べても厳しい規制があったことで、どの国よりも顧客資産を守る上で強固な規制があったことが証明されています。
銀行はもはや当たり前である顧客資産の分別管理を義務付けられているわけですが、FTX Japanも例外ではありませんでした。
しっかりと分別管理され、今回のような破産のような問題が起きた際にもしっかりと守られるわけです。
逆に露見してしまっったのは、海外の取引所はそういった視点から安全性はこれまで以上に疑われることになり、逆に日本の規制による顧客資産の安全性は証明されたわけです。
2023年の仮想通貨市場の投資動向
個人的には分野を絞って、今後も注目していくことにしています。
とにかく情報の鮮度が命である仮想通貨業界は情報収集はとにかく時間がかかります。
特にアルトコインの銘柄はプロジェクトの内容に大きく左右されます。
2022年に起きたような大きな事件がいつ起きるのか、今年はより懸念される投資家が多くなるはずです。
金融市場に大きな影響を与えた1年
世界的にコロナショックやロシア・ウクライナ間の戦争勃発などから、世界的なインフレや円安の続伸なども重なり、どの分野の投資においても大きな変動が起きている状況です。
S&P500などの比較的右肩上がりを続けてきたインデックス指数ですら、2022年は下降気味の相場でした。
2022年には日銀が数十年ぶりに為替介入を行なったり、これまで何が起きても金融緩和策を続けてきた日銀が実質的に金利を上げる方針も発表。(こちらは円高要因)
これだけあらゆる分野でマイナスファクターが続いているので、リスクオフとして別の金融市場に資金が流れていると予測できます。
結果ビットコインやイーサリアムなどの代表的な銘柄は横ばいの相場感が続いています。
2023年の個人的な投資目線
現時点で塩漬け気味の仮想通貨もありますが、現在が底値圏として捉え長期的な視点で買い増しするのはありだと考えています。
理由は2つ。
- 立て続けに大きな事件が続いた
- 仮想通貨業界のマーケットが現在も広がっている
プラスとマイナスの要因が混在していますが、2020年~2021年頃の過熱期が高騰しすぎていたとも考えられます。
ビットコインなどその代表例で1BTC=700万円など日常的には利用できません。。
仮想通貨そのものに注目しがちですが、現在は日本では特にNFTなど、WEB3界隈では新しいプロジェクトは日々動いています。つまり、そういった市場の根底にあるプロジェクトが活発ということは、仮想通貨の流動性にもつながると考えています。
2022年は暗いニュースが多かった印象ですが、引き続きマーケットを注視しつつ、投資チャンスを狙いたいなと年初にまとめてみました。
投資にリスクはつきものです。
仮想通貨は特にそれが顕著に目まぐるしく早いサイクルで回っていることは忘れないようにしたいものです。
早くマーケットが上向きになって欲しい。