現在では数千種類もの仮想通貨が市場で取引をされていますが、仮想通貨でも歴史があり、時価総額的にも高いビットコインやイーサリアムなどは、度々ニュースなどでも取り上げられ、仮想通貨(暗号資産)に関心のない人でも聞いたことのあるくらい有名になりつつあります。
現在、市場でも価値が高い仮想通貨を含め、その2つの仮想通貨に比べ、使い方や機能面での特徴を分析することで、投資的な視点、今後利用用途で見た時の将来性などが見えてきます。
数ある仮想通貨の中でも、このネームバリュー的な価値と利用面における機能の2つのバランスが市場での価値に直結するのではないかと予測しています。
後続で登場している仮想通貨で、価値が上昇傾向にある通貨の特徴として、ビットコインやイーサリアムブロックチェーンとどのように連携できるのかが、ポイントになっているようで、以下の3点のパフォーマンス性が利用用途と価格変動に大きく影響しているようです。
■ 次代の仮想通貨に求められる性能
・連携機能(ブリッジ機能)
・相互運用性(インターオペラビリティ)
・拡張性(スケーラビリティ)
そんな中でも、注目すべき話題の仮想通貨の特徴をまとめてみました。
今回まとめた通貨の中には国内取引所では、扱いのないコインも多いですが、まず国内仮想通貨取引所で、ビットコインやイーサリアムなどのメジャーどことの通貨を触ってみることをお勧めします。
ビットコインキャッシュ/ Bitcoin Cash (BCH)

ビットコインの欠点を改善するために誕生
Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)は、2017年にビットコインから派生したアルトコインであり、
ハードフォーク(分裂)がきっかけで誕生しました。
※アルトコイン
ビットコインから派生した仮想通貨の総称。
※ハードフォーク
ブロックサイズの拡張や機能面での向上を目的とした大型のアップデートのこと。
送金手数料がビットコインより割安
ビットコインの取引をする際、データ処理速度の問題がなっていましたが、ビットコインキャッシュは処理速度の面を大幅に改善されていて、送金手数料も抑えられ、決済面で実用的な仮想通貨です。
決済面で需要が高まれば、知名度と合わせて価値も高まるのではないでしょうか。
ライトコイン / litecoin (LTC)

ビットコインから派生した通貨
litecoin(ライトコイン)も2011年にビットコインから派生した仮想通貨です。
歴史としてはビットコインに次に生まれた仮想通貨です。
ビットコインの課題の処理速度の改善を目的として誕生しました。
発行上限数が約8400万枚
発行上限数も定められていて、およそ8400万枚です。(ビットコインの4倍ほど)
ビットコインと同様、ライトコインを管理する管理者はいませんので、価値の変動は相場に左右されます。
ブロック生成速度がビットコインよりも速い
ラインコインは「Segwit」(セグウィット)という技術でブロックサイズの圧縮を可能にしています。
ビットコインのスケーラビリティ問題を改善したアルトコインです。
※スケーラビリティ問題
ブロックサイズの制約や取引データ(トランザクション)容量が問題で、データ処理や送金に遅れが出てしまう問題。
また、ライトニングネットワークを導入しています。
これはスケーラビティ問題を改善できる技術として期待されています。
具体的には当事者間で取引をブロックチェーンの外で行い、最初と最後の総額の取引データがブロックチェーンに記録される仕組みです。
このネットワークの導入で、ブロックチェーン内で毎回取引データを全て記録する必要がなく、少額利用や複数決済などでも手数料が抑えられ、高速に処理することが可能になりました。
ライトコインも決済面での課題の改善を目的とした仮想通貨になり、より決済サービスなどが世界的に普及すればより身近な仮想通貨の一つになる可能性はあります。
イーサリアムクラシック / ethereum classic (ETC)

誕生の由来
ethereum classic(イーサリアムクラシック)が生まれた由来は、分散型アプリケーションの総合プラットフォームのイーサリアム上の「The DAO」(自立分散型組織)がサイバー攻撃を受けてしまったことがきっかけになっています。当時大きなニュースになっていて、約60億円相当の被害を受けましたようです。
事件解決のために、イーサリアムの運営側がハッキングを受ける以前の状態に取引記録のあるブロックチェーンをリセットしました。これはハッキングの事実も含めた状態でなかったこととして扱われることになります。
ハードフォーク案と呼ばれるハッキング自体をなかったことにする仕様に変更する案で事件は収束したようです。
しかし、開発チームの中でそういった非中央集権型の仮想通貨の理念から外れる意見もあり、非中央集権性を実現する為にイーサリアムから派生した仮想通貨です。
非中央集権がベースになっている
The DAO事件がきっかけで分岐したイーサリアムクラシックには、ハッキングを受けた事実も残されています。
イーサリアムクラシックコミュニティの理念に「プログラムコードこそ法律」というものがあり、ブロックチェーン上で一番支配権があるのはプログラムコードであるという考えです。
何よりも非中央集権型の通貨であることを重要視しているため、ハッキングされた事実を含めて記録されています。
発行上限がある
非中央集権型通貨の特徴にも挙げられますが、イーサリアムクラシックには発行上限数が決まっています。約2億1000万ETC~約2億3000万です。
イーサ(ETH)には発行上限がないのて、その点も大きく違う点です。
ネム(NEM/XEM)|シンボル(Symbol/XYM)

ネム(シンボル)の特徴
nem(ネム)は2015年に誕生した比較的新しい仮想通貨です。
ネム(NEM)の名の由来は「New Economy Movement」の頭文字で直訳すると「新しい経済の仕組み」これまでの中央集権的な経済の仕組みを新しくするという点は他の非中央集権型の仮想通貨の理念と共通しています。
ネムは決済送金プラットフォームを指し、そこで使用される通貨をゼム(XEM)と定義しています。
2021年3月にはアップデートを行い、新しい仮想通貨シンボル(Symbol/XYM)を発行しています。
シンボルはプラットフォームを指し、基軸通貨はジム(XYM)となります。
発行上限がある
発行上限は約90億枚と決まっています。
処理速度が速く、取引がスムーズ
決済送金プラットフォームという特性もあり、データ処理速度と取引スピードは他の通貨よりも優れています。また承認方式にPol (Proof of Importance)という独自の仕組みを導入しています。
これは、ネム専用のウォレット「Nano Wallet」にネムの保有量、保有機関等から得られるスコアがあります。それらで運営サイドに対しての貢献度を評価するという仕組みです。
ある一定以上保有していくと、一日ごとにスコアが加算され、基準以上の評価を得ると、承認作業(マイニングではなくハーベスティングと呼ばれている)に参加することができ、報酬を得る資格を取得できるようになります。
ビットコインなどはPoW(Proof of Work)を採用しており取引データを承認する作業(マイニング)に見合った報酬を支払う仕組みで運用されています。
ドージコイン / Dodge coin (DOGE)

誕生の由来
Dodgecoin(ドージコイン)は、2013年に人気となったインターネットミーム「Dodge」をモチーフにした仮想通貨ですが、ジョーク通貨とも呼ばれています。
元々は日本のブログに登場した柴犬「かぼすちゃん」がインターネットを通じて世界的話題となりました。
※インターネット・ミーム (Internet meme)
インターネットを通じて、人から人へ、一般的には模倣として広がっていく流行、コンセプト、行動、メディア(ジョークネタ)のことを指します。ネットユーザーに拡散行動を商業的に利用するマーケティング手法(バズマーケティング)に利用することもあります。
通貨としての特徴
2013年にビットコインをベースに作られたドージコインは、特に突出した機能は持ち合わせていません。当時仮想通貨市場に対して否定的な風潮もありました。
開発者のジャクソンパーマー氏は「仮想通貨市場を取り巻くネガティブな印象に逆らって、面白くて可愛いコインをつくる」というコンセプトのもとに開発されました。
何かしたの利用用途のために新しい機能を付与した仮想通貨は数多く存在しますが、誕生のきっかけから、ドージコインはその独自性の側面で価値が上昇した稀有な仮想通貨です。
そんなドージコインですが、寄付にたびたび使用されていた仮想通貨でもありました。
価値が上昇した理由
特に2021年に価格が高騰したことで話題になっていましたね。
高騰した理由は、米国電気自動車メーカーであるテスラのCEOのイーロン・マスク氏がドージコインについて発言したことがきっかけで、市場を動かすほど大幅に価格が上昇しました。
ポリゴン / Polygon (MATIC)

polygon(ポリゴン)は、イーサリアムの課題である処理速度、取引コストのスケーラビリティ問題を解決するために生まれたレイヤー2ソリューションの仮想通貨です。
イーサリアムブロックチェーンと互換性を持ったブロックチェーンを構築し、接続する為プロトコルかつフレームワークです。
■仮想通貨のレイヤーの考え方
・ レイヤー1→ブロックチェーン
・ レイヤー2→ブロックチェーン外での取引
開発当初はマティック(MATIC)と呼称されていましたが、2021年2月にポリゴン(Polygon)と改称されました。基軸通貨はマティック(MATIC)のまま運用されています。
2022年1月25日には、YouTubeのゲーム部門のトップが、ポリゴン・スタジオのCEOに就任することを発表し、ますます注目が集まっている仮想通貨の一つです。
特徴
処理速度、取引コストの大幅な改善
特にイーサリアムブロックチェーンのガス代(取引手数料)の高騰が、NFTマーケットユーザーやアクティブにイーサリアムを利用するユーザーから問題視されていました。
そういった背景から、ポリゴンをはじめ、様々な低コストで利用できるようにしたブロックチェーンに移行している動きも顕著です。
特にOpenSea(NFTマーケット)での利用が6000万ドル近くの取引高を記録しています。
現在はNFTやメタバース関連のプロジェクトはポリゴンに移行していることも話題になっています。
2021年の10月には、イーサリアムの利用者数をポリゴンが超えたり、NFTやゲーム関連のプロジェクトの盛り上がりが、更にアクティブユーザーの増加に起因していると言われています。
PoSを採用
ポリゴンは、イーサリアムのセカンドレイヤーですが、イーサリアムとは独立しているコンセンサスアルゴリズムであるPoS(Proof of Steak)を採用しているので、独自の仮想通貨を発行しています。
※PoS(Proof of Stake /プルーフオブステーク)
仮想通貨の取引や送金データを正確にブロックチェーンに繋ぐ為の仕組みをベースにしたブロックチェーンネットワークです。
ステーキングができる
ポリゴンは独自の仮想通貨であるMATICを発行していて、 PoSを採用しているので、通貨を長期保有することで報酬を得られる仕組みが可能です。
発行上限数は決まっている
MATICトークンの総供給量は決まっており、100億枚に設定されています。
アバランチ / Avalanche (AVAX)

AVALANCHE(アバランチ)は、他のブロックチェーン、特にイーサリアムブロックチェーンとも互換性を持ち、DeFi(分散型金融システム)に特化するブロックチェーンとして開発されました。
特徴
スケーラビリティ問題に対応
後続で登場している仮想通貨はこのスケーラビリティ問題に対して、ビットコインやイーサリアムよりパフォーマンス面では大幅にアップデートされており、アバランチも処理速度がとても優れています。
流通量をシステムでコントロール
仮想通貨の中には、焼却(バーン)と呼ばれている市場での流通量を意図的に減少させる仕組みがあります。上限数が決められている仮想通貨と同様に市場に出回り過ぎた際に価値の担保を図るため採用されています。
相互運用性
特にイーサリアムブロックチェーンとの相互運用性に特化していて、イーサリアムユーザーが利用しているウォレット「MetaMask」でもアバランチが利用できます。
PoSを採用
独立しているコンセンサスアルゴリズムであるPoS(Proof of Steak)を採用しているので、独自の仮想通貨を発行しています。
※PoS(Proof of Stake /プルーフオブステーク)
仮想通貨の取引や送金データを正確にブロックチェーンに繋ぐ為の仕組みをベースにしたブロックチェーンネットワーク。
ステーキングができる
独自の仮想通貨であるAVAXを発行していて、 PoSを採用しているので、通貨を長期保有することで報酬を得られる仕組みが可能です。
発行上限数が決められている
発行上限数は、7億2000万枚と決められていますが、ジェネシスブロックで発行されていない3億6000万枚はステーキング報酬として分配されます。
また、それ以外でも資金調達や開発資金、エアドロップなどにも利用されています。
※ジェネシスブロック(Genesis Block)
ブロックチェーンにおける最初のブロック(ブロック0)のことを指します。ビットコインの開発者のサトシ・ナカモトが作成したと言われています。