仮想通貨を触り始めている人、興味のある人であれば、どこかで一度聞いたことがあるかもしれません。
実際に運用まで行っているような人は日本では少ないんじゃないかと思います。というのも、そこまで深掘りする上でも、ハードルの高い専門用語や仕組みの理解が必要になるからです。
本記事では、DeFiの仕組みから、運用までの手順を解説していきたいと思います。
この記事でわかること
・DeFiの仕組み
・DeFiの始め方
・DeFiでの資産運用

DeFiは何より先に難しさを感じてしまうと、なかなか理解できない分野かもしれません。
はじめにDeFiの可能性、将来性に魅力を感じてもらえれば、多少のハードルを乗り越えることはできるんじゃないかと思いますので、魅力を先にお話しできればと思います。
下のチャートは、DEXと呼ばれる分散型取引所の一つのPancakeswapの独自トークンのCAKEの相場です。(通貨ペアとしてはBNB/CAKE。BNBはBinanceが発行するトークンです)

2021年5月時点の価格から相場は2022年2月17日時点では、およそ33%ほどの価格が上昇しています。
1年かからず、この運用実績はさすが仮想通貨市場という感じです。
今回DeFi運用の入り口として、度々登場するPancakeswapでは、少し前の話にはなりますが、年利60%のリターン(利息)を得られたこともある、いわゆる仮想通貨バブル的な価値の上昇を記録した注目されている独自トークンのCAKEを発行しています。
中には、それ以上な利回りを出している別のDeFiプロジェクトもあります。

年利60%ってちょっと意味わからない数字です!
そもそも日本のメガバンクではマイナス金利ですからね。
既に仮想通貨バブルは終わったとか、2022年1月には仮想通貨市場が急落していたことが話題にはなっていますが、現状2月に入って、緩やかに相場も戻りはじめています。
未来のことは誰にも分かりませんが、まだまだ仮想通貨市場は世界的に見ても、現在進行形で流動的なので、ハイリスク、ハイリターンなことには変わりありません。
新しい概念ですから、当然です。
投資をする上で、仮想通貨市場への理解も必要ですが、時間がかかりますし、何より難しいです。
であれば、間違いなく株や長期的な目線でのインデックス投資をお勧めします。
興味がありましたら、ぜひ覗いてみてください。
本記事の内容は、仮想通貨特需時代のど真ん中であることを理解しつつ、投資は自己責任で始めることは忘れないようにしておきましょう!
なかなかクリプトの世界は奥が深いので、専門用語も飛び交います。
最近仮想通貨を知った人や、つまづいたら、こちらの記事を参考にしてもらえると、理解しやすくなるかもしれません。
DeFiに限らずですが、仮想通貨を触る上で、ウォレットと仮想通貨取引所の口座は必要です。
それがないと、何も始められません。
先におすすめな仮想通貨取引所とウォレット開設方法についてご紹介しておきます。
ウォレットインストール方法はこちら。
まずは、こちらを先に登録しておいても損はありません。善は急げです。
DeFiに関しては、海外取引所への登録が必要にもなりますので。
DeFiとは?

Defiって何?
Defiとは「Decentralized Finacce」の略称で、これまでの中央集権型の金融機関の在り方に対して、「分散型金融」と呼ばれるブロックチェーン技術を使った当事者同士で直接取引を行うことができる金融概念です。
簡潔に言うと、ウォレットを持っていれば、銀行の口座を持っていなくても、仮想通貨を送ることができます。
こういったブロックチェーン技術を活用したDEX(分散型取引所)が登場し、DEX上での流動性提供による仕組みで、資金を効率よく増やすことができることに注目が集まっています。

※DEX(Decentrailzed Exchange) 分散型取引所と呼ばれるDEXは、これまでの中央集権型の機関を解さず、個人間で直接仮想通貨の取引を行える仕組みのこと。 中央集権型の機関を介する仮想通貨取引を行う取引所はCEX(Centarailezed Exchange)=中央集権型取引所と呼ばれています。
DEXでは、AMM(自律型マーケットメイカー)と呼ばれる自律的なシステムを採用していることで、完全に自律的に取引を行うことが可能になっています。
※AMM=automatic market makeの略称。

上図は、昨年のイーサリアム相場のチャートです。
DeFi、NFTコンテンツのマーケットであるOpenSeaは、基本的にイーサリアムブロックチェーンが利用されているので、2021年は年間を通してイーサリアム相場の価格が急騰した背景にも挙げられます。
年間で価値がおよそ7倍まで上昇しています。やばくないですか。
(¥78,000→¥540,000)
DeFiのメリット

DeFiが注目され始めたのは、2020年の頃でDeFi関連の銘柄の「CAKE」や「Uniswap」が価格を大幅に上昇させています。
もちろん価値が上がったことには、もちろん理由があります。
金融機関を介さない→手数料の削減
今の金融サービスを利用するには、間違いなく銀行を介さないと取引ができませんでした。
(現状もまずは現金を仮想通貨にする上では、銀行を介すると言えなくもないですが)
株式やFXなども、証券口座に現金を入金してからでないと、取引ができません。
現状の金融サービス全般は、個人の間でのやり取りには、どこかしら中央集権型の機関があることが当たり前でした。
そうすると、中間マージンのような手数料はかかりません。
これがDeFiにはないことが最大のメリットであり、革新的な特徴です。
ただし、手数料がかからないわけではありません。
仮想通貨同士の送金にはマイニングという作業が発生するので、手数料は発生します。
特にイーサリアムブロックチェーンを使用する際に、特にガス代というものが高くなる傾向があるので、注意が必要です。
※ガス代(GAS代)
ガス代 = Gwei(GASの単位) × ガスリミット(ガスの上限)
上記の数式で、ガス代はイーサリアムの取引量に応じて、日々変動します。
複雑なトランザクションが発生するような取引の場合は、ガス代も比例して高くなる傾向が現状抱えるイーサリアムの最大の課題と言えるかもしれません。(利用者目線ですが)
NFTコンテンツマーケットの最大手OpenSeaも、イーサリアムプラットフォームでのサービスになりますので、このガス代の高騰が課題とされていますが、DeFiではより複雑な処理が発生することが多いので、少額の運用資金で考えている人は、このガス代(手数料)の方が高くつくことすらあり得ますので、ご注意を。(巷では、これをガス代負けとも言います)
方法としては、極力取引の回数を減らすことでしか、現状手数料を抑えることはできません。
海外での利用にも便利
あまり日本では馴染みのない話かもしれませんが、DeFiの利用には銀行口座を持っている必要はないので、世界的に見ると、所得の低い人は銀行口座を持っていない人は数多く存在します。
そういった方も仮想通貨を利用できることも世界的には注目されています。
エルサルバドルでビットコインの法定通貨に採用した背景にも、自国民が銀行口座を持たない層が多数いることも起因していたようです。
最近では、特にDeFiを活用したGameFiと呼ばれるゲームで仮想通貨を稼ぐことがアフリカ圏では注目を集めています。
DeFiのデメリット

インパーマネントロス
インパーマネントロスとは、流動性提供を行う場合に伴うリスクを指します。
具体的には、流動性提供によるメリットより、純粋にコインを保有だけしておいて、相場上昇により価値が勝ってしまうことです。
下記の様なイメージです。
※インパーマネントロス
流動性提供による運用利益 < 保有のみの相場上昇による利益
つまり、保有してほっとくだけの方が結果的に利益がでていたというケースです。
どういった時にこのような状況になるかというと、ETH/XXX(仮)のペアを流動性提供を付与した後に、ETH(イーサ)の価格が高騰すると、EHTの需給が高まっているということになるので、ガス代(手数料)も高騰することになります。
知らない人に説明すると、思っている以上にガス代は高いので、複雑なトランザクションを行うDeFiでは、結果的に資産が目減りしていくことに直結する場合があります。
もう一つのリスクは、単純にコインとしての価値が急落してしまうことです。
つまり保有している通貨の比率が一方に偏り、価値が下がり続けているマイナートークンが増えていくことで、結果的に資産が減ってしまうことです。
DeFi運用では、このようなハイリスクをはらみつつの、ハイリターンが期待できることは覚えておきましょう。
つまり、ほっとくだけで増えるような相場感ではないので、常にチャートやプロジェクトの動向を追っていく必要があります。
運用中の強制決済
DeFiプロジェクトによりますが、相場の激しい場合、トークンの評価価額が基準のラインを下回ってしまった場合に、強制的に決済が行われてしまいますので、想定以下の価格で売買が成立してしまう可能性もあります。
流動性提供をする際には、通貨ペアの比率に余裕を持たせ、相場の動向と合わせて、注意して管理する必要があります。
ハッキングのリスク
ブロックチェーン技術そのものがセキュリティ性が高いものですが、完璧ではありません。
ウォレットのパスワード(METAMASKの場合は、シークレットリカバリーフレーズ)を何からの方法で情報が漏れてしまった場合は、その中に保有している自分の仮想通貨を盗まれる可能性もゼロではありません。
せっかく運用していて資産を増やすことができても、突然失うリスクも考慮しつつ、一つ一つの仕組みを理解して始めるようにしましょう。
パスワードなど、頻繁に使用するものですが、パソコン上に保存しているとハッキングされてしまった時、こういった情報を盗まれてしまったら、終わりです。
原則、パスワード関連は、アナログな方法で保存しておくことが、一番ハッキングリスクを低くする方法です。
また、DeFiプロジェクト自体にハッキングされ、資産がなくなってしまうかもしれないことを留意してください。
過去にはDeFiプロジェクトにハッキングされたものもあるようです。
利用サービスの過去の運用実績を始める前にチェックしておくことをお勧めします。
ボラティリティのリスク
本記事のはじめに、年利が非常に高く運用できますということをお伝え致しましたが、これを逆に行ってしまうと、相場の変動が激しいということは、それなりのリスクもあるということになります。
資産運用視点では、ボラティリティの大きさは、リスクに捉えられることが多いので、投資的にいうと、アクティブ運用のよりハイリスクなものが、DeFi運用と見ている人も少なくないと思います。(これはちょっと理解が薄すぎるとは思いますが)
リスクを理解した上で、どうのように自分の資産を運用していくか、まずはDeFiの仕組み、プロジェクトの将来性など多角的な視点で、判断していく必要があります。
あくまで、投資は自己責任の範疇で。
DeFiでの稼ぎ方

まず初めに注意事項としては、分散型取引所によって、取扱のコインは異なるので、確認する必要があります。
あくまで投資になりますので、確実に利益が残せるものではないことは理解して始めましょう。(もちろん、元本保証もありません)
言うまでもありませんが、仮想通貨市場がそもそも変動が激しい市場になりますので、あくまで自己判断で無理なく投資を始めましょう。
それでは、具体的にDeFi運用での資産の増やし方をPancakeswapのサービスをもとに説明をしていきたいと思います。
通貨の流動性提供→手数料+インセンティブ収入
DeFiでのメインでの稼ぎ方は、保有通貨に流動性与えることで、手数料を得る仕組みを利用することです。
仮想通貨市場では、一般的にはステーキングと呼ばれるものです。
DEXの一つであるPancakeswapでは、手数料とは別に独自トークンであるCAKEをインセンティブとして還元してくれます。
この仮想通貨(CAKE)を売却することで、より利回りの良い収益を作ることが可能です。
流動性を与えるということは、DEX上で他のユーザーが取引できるプールと呼ばれる場所に自分の保有している仮想通貨を預けることを指します。
仮想通貨取引にも通貨ペアがあるので、A通貨とB通貨を流動性プールに預け入れます。
Pancakeswapでは、BNB/CAKEの通貨ペアという感じです。
そのA/Bの通貨ペアを取引したい別のユーザーが自由に利用することで、預け入れた金額に応じた手数料が還元される仕組みです。
通貨に流動性を持たせているメリットは、「手数料+トークン」を還元してくれることにつきます。
手数料+分散型取引所独自トークンの価値自体が大幅に上がっていくことで、結果的に高い利回りが得られることに繋がります。
大まかな手順としては
■分散型取引所(DEX)での運用方法
1-仮想通貨取引所で、取引に使用する仮想通貨を現金と換金する
↓
2-ウォレットを作成(※METAMASK推奨)
↓
3-購入した仮想通貨をウォレットに送金
↓
4-分散型取引所(DEX)に同価値である2種類の通貨と交換(スワップ)し、流動性提供(プール)して、運用。
レンディング→利子収入

レンディングは、保有している仮想通貨を取引所へ貸し出すことで、金利として還元される投資手法です。
これをDeFiアプリケーション上で行います。
利用するDEXによって異なりますが、取引所で売却する際に独自のトークンを追加でもらえる所もあるので、普通のレンディングサービスよりも大きなリターンを得ることが可能になります。
DEXでは、aaveやCompoundなどのサービスがあります。
Compoundでは、テストネットでレンディングを試すこともできるようです。
国内取引所でも、名前は様々ですが、レンディングサービスを展開している取引所もあります。
海外の取引所より年利は最大でも5%前後にはなりますが、まずはこちらから試してみることもありです。
■レンディングサービスを展開している国内仮想通貨取引所
・Coincheck→Coincheck貸暗号資産
・GMOコイン→ステーキング
マネーレゴ→複数のDeFiプロジェクトを組み合わせて、資産運用
DeFiは、マネーレゴと呼ばれている複数のプロジェクトを組み合わせて資産運用をすることができます。
※マネーレゴ
DeFiアプリケーションは、一つ一つのプログラムをレゴ、ブロックで作る建物などを作る構成要素と似ていて、複数のレゴを組み合わせて構築するDeFiの仕組みと考え方が似ていることから、そのように呼称されています。
DeFiアプリケーションは、オープンソースで、プログラムは公開されています。
これは、新しいアプリケーションを構築するときに、既存のアプリケーションサービスの一部を部品(構成要素)として、利用することが可能です。
このコンポーザビリティ(構成可能性)がDeFiの魅力の一つで挙げられます。
実際にどういう仕組みかというと、
DeFiサービスの一つで、流動性を提供し、手数料と独自トークンを付与される一般的な仕組みとは別に、その独自トークンをまた別のサービスに預けることで、同じくそのサービスの独自トークンを得ることができることです。
言葉で説明しても、なかなか難しいですね。
図にすると、下記の通りです。

DeFiプロジェクトの組み合わせは、利率の差やインセンティブにより、一つのサービスよりも複数で運用することで、効率的に利益を多く残すことも可能です。
ただ、最初はなかなかハードルが高いので、一つのサービスに慣れたら、検討し始めるくらいで覚えておくくらいで良いかなと思います。
まとめ

DeFiをこれから始めたい人のために仕組みや運用方法などをまとめました。
とにもかくにも、まず始めるために必要なものだけご説明しておくと、まずはウォレットと現金を仮想通貨に変える仮想通貨取引所への口座登録が必要です。
この記事を読んでいただいた方は、まずはその2つを準備しておくと良いです。
ウォレットの中では、METAMASKがおすすめです。
こちらの記事でサクッと簡単にインストールできる方法をまとめています。
仮想通貨取引所もいくつもありますが、これから始める人におすすめなのは国内仮想通貨取引所です。
■レンディングサービスを展開している国内仮想通貨取引所 ・コインチェック→Coincheck貸暗号資産 ・GMOコイン→ステーキング
DeFi運用では、海外取引所への登録も必要になってきますが、まずは理解をしていくためにも、国内の仮想通貨取引所から触れてみることをお勧めします。
主要取引所のそれぞれの特徴をまとめましたので、こちらもよろしければ。
仮想通貨市場がそもそも投資的に見ると、相場(ボラティリティ)が激しい、リスクの高い相場です。
中でも、DeFi運用は海外サービスが前提なので、よりリスクもあることは十分に理解して、始めてくださいね。
ご紹介している国内取引所でもレンディング、ステーキングサービスを運用している取引所もありますので、そこで仕組みを含めて慣れてからでも良いかもしれませんが、仮想通貨の市場は目まぐるしく相場が動いているので、その点を理解して、どう行動するかはあなた次第です。
次回は、具体的なDeFi運用の方法をまとめて発信していきたいと思います。