ゴールドとFXは、大きく括ると相場においてのテクニカル的な手法や視点、経済指標、米ドル相関性の観点など、共通している部分も多いので、その2つをどちらもトレードする人は多いかもしれません。
ゴールドといっても、投機トレード(特にデイトレード)を前提にしたお話です。
(※金を資産として長期的に保有する視点であれば投資になります)
Twitterなどを見ていると、ゴールド取引で「爆益!!」「爆損・・・」などのワードと共に発言している方が多くみかけます。
これについては、2つの共通点と似ているけど、違う点などを理解しているかどうかの差なのではと考えています。
(ただ、残念ながら理解できたからといって、トレードにすぐ勝てるかという話とはゴールドもFXも別の話ですが、稼げる人は理解していることなので必要な知識です)

僕自身も最初の入り口は、FXから入ってその後にゴールドでの取引をスタートしたクチです
ゴールドの代表的な特徴は以下の記事にまとめていますので、よかったら読んでみてください。
ゴールド取引をする前に、必要最低限ではありますが、認識しておいた方がいいポイントについて書いています。
一般的に言われているボラティリティ(相場の変動幅)の激しさに魅力を感じて、スタートする前にこちらの記事で一度メリット・デメリットを把握した上でトレードすることをお勧めします。
ボラティリティに魅力を感じることは、FX(為替)もCFD取引でも、そもそも差金決済で利益を得る仕組みなので、決して間違いではありません。

FXで言うと、ポンド系(GBP/XXX)とかボラティリティが大きく、取引されている方は多いですよね!
その商品の特徴を理解した上で、ボラティリティの変動が大きい商品と小さい商品で、それぞれにあったトレード手法で臨む必要があるからです。
この大小だけで、稼ぎやすいor稼ぎづらいという判断をしてしまうと、初心者からまだ抜け出せていないかもしれません。

こういったことを理解する前に、ボラティリティだけに魅力を感じて、ゴールド取引を行ってしまうと高確率で資金をあっという間に失ってしまいます。
逆説的に言えば、懸念事項さえ押さえてしまえば、魅力的な相場です!

ただ、そういった経験も少額のうちに体験(失敗)しておくというのも必要かもですね・・・!
大火傷する前に軽い火傷は僕も経験してます、、、!
ゴールドは初心者にはお勧めできる相場ではありません。
昨今の為替相場も大きく動くことも多いので、まずはドル円や身近な為替相場で経験してみてから、徐々に慣れてからでも遅くありません。
基礎知識からおすすめの証券会社についてまとめていますので、よろしければご一読下さいませ。
GOLD(XAU/USD)とFXの共通点

テクニカル的な手法(視点)
どんな相場において、テクニカル分析のスキルはトレードする上では、必ず習得しないといけないスキルの一つです。
投資商品のほとんどは、いわゆる相場の中で日々価値が変動しています。
代表的なFX(為替)や株式など、最近では仮想通貨などもチャートと呼ばれるツールを使って、取引をするパターンが大半を占めています。
株式市場のチャートと比較するのがわかりやすいです。
株式市場の相場でも、テクニカル的な視点は必要ですが、投資的な視点で取引する必要がある点がゴールドやFXとの大きな違いの一つです。
株式投資という言葉が表している通り、株式は投資であり、FX、今回取り上げるゴールドの取引は投機的な視点がメインになるので、時間軸が大きく違います。
株式のチャートは、基本的には右肩上がりを想定するようなトレードがメインになってくるからです。
※投資と投機の違いはこちらに書いていますので、よろしければ。

ゴールドやFXトレードと株式投資のトレードにおいて、共通する部分と大きく異なる部分があります。
上図は簡単に比較した図になります。
株式などの投資においては、チャート分析+経済指標+投資先の企業情報分析(IR等の財務状況や事業内容の将来性)が必要最低限の分析情報かと思います。
ゴールド(トレード)やFXなどの投機は、チャート分析+経済指標+通貨ペアの関連の経済状況、相関性のある通貨分析がメインの分析情報です。
こうして比較してみると、同じチャートというフォーマットからでも、キャッチアップする情報を変える必要があることが分かります。
同じテクニカル手法(ロウソク足/水平線/移動平均線など)を使っていても、分析するべき情報の背景が違えば、見え方も変える必要性あるということが重要なポイントになります。
経済指標
経済指標に関しては、FXや投資全般でも避けては通れない重要なファクターの一つです。
その指標の内容が相場にどのように影響しているのか、短期的にしろ長期的な視点でも必要になってきます。
ただ、最初は投機的なFXやゴールドトレードにおいては、短期的な分析、特にデイトレード視点で言えば、その日の重要な指標の発表の時間を押さえておくだけでも問題ないと考えています。
僕自身も指標の影響と指標前後相場の動きの分析は非常に難しく、重要度の高い指標前後のトレードを行う場合は、リスクを通常より抑えてトレードをしています。
(ロット数を下げたり、指標前後の時間でポジションを決済)
どの分野の相場においても、注目される経済指標では分析を軽く飛び越えて、前後では不規則な動きをする可能性も多いので、ゴールドは特にその反応が顕著に現れる商品です。
5分と短い時間でも、軽く上下で100~200pips(1〜2円)程度上下したり、それ以上に一方向に急騰(あるいは急落)することもあり、それを予測することはかなりの上級トレーダーしか乗りこなせないような相場だと考えています。
米ドル(USD)と関係性
ゴールドにおいては、米ドルとの関係性は切っても切り離せません。
金取引では、「投機」と「投資」の視点によって、取引スタイルは変わりますが、米ドルとの関係性は無視できません。
一般的に金と米ドルの関係は逆相関性として広く知られており、
■米ドルと金の相関関係
・米ドル価値上昇→金の価値下落 (米国経済が上向き)
・米ドル価値下落→金の価値上昇 (米国経済が下向き)
上記のような関係性で相場が動くことが多い傾向にあります。
金は世界的に経済不況に対してリスクオフ資産の一つとして知られているので、法定通貨米ドルの価値の下落の際に需要が高まり、金の価値が上昇していく性質があります。
市場でドルの価値に連動して動くことは、トレードする上で分析していくことも必要な情報の一つになります。
GOLD(XAU/USD)とFXの意識すべき相違点

ボラティリティ(相場変動率)
ゴールド取引をしている多くのトレーダーは 、ボラティリティを魅力にしている人は多いと思います。
これはゴールドに限ったことではないですが、テクニカル分析と経済状況が相場に影響するポイント正しく分析できるようになれば、ボラティリティを味方につけられるので、これが大きな魅力につながります。
逆に言いますと、それらを味方につけられないと最大のデメリットでダメージが致命的になる表裏一体な相場の側面が強いです。

FXの分野では、比較的ボラティリティが大きいポンド系の通貨ペアも頻繁に取引されている通貨ペアの一つです。。
例えば、上図(ゴールドとポンド円の同じ日のチャート)を比較してみます。
(ちょっと分かりにくいかもですが)
よく動くボンド円(GBP/JPY)とゴールド(XAU/USD)のボラティリティだけを比較すると、1日ベースでも、ポンド円の約1.2~4倍くらいの価格幅で相場が動きます。
(もちろん日によりますし、相場のメインも違いますので、参考までに)
そこまで大きな差があると、一つ一つのロウソク足の形成から認識を変えないと、1回のトレードレベルですら寿命を縮めてしまいます。
市場のサイクルとトレンド転換のスピード
ボラティリティが大きいと言うことは、言い換えると市場のサイクルが早いとも捉えられます。
意識されている価格帯に到達するスピードも速いので、そこからのトレンド転換、あるいはブレイクもゴールドの相場はこのサイクルが早い印象にあります。
ボラティリティにも関係しますが、そういった箇所から一瞬で、「100pips(1円)以上あっという間に動いていた・・・」なんてことは、ロンドン市場やニューヨーク市場では割と日常茶飯事です。
テクニカル手法はFXと共通点が多いという話はしましたが、ゴールドの相場でも水平線や移動平均線などのメジャーなテクニカルは有効な一つのトレード手法です。
特に日足(D1)や4時間足(H4)など上位足での水平線は信頼度も高く、私もメインで使用しているテクニカル手法です。

上図は2016年から2022年1月13日までの週足のゴールドのチャートです。
2020年8月頃の直近の高値を更新するまでは、2019年からの強いトレンドが続いていましたが、2021年〜現在までは高値を更新できず、レンジ相場で揉み合いながら相場を形成しているのが分かります。
2019年後半から2020年8月は特に世界的にも新型コロナウイルスが蔓延していた時期とも重なり、経済的大不況も影響して、大幅に金の価格も上昇したと予測できます。
現在でもコロナウイルスは収束しているとはとても言えませんが、米国ではテーパリング(資産購入の減少)の縮小や2022年の利上げなども政策として決まっているので、大幅な高値を超えることは考えにくいのではないのでしょうか。
そうすると、レンジ相場で落ち着く動きが予測できます。
レンジ相場とは言え、金の相場では価格幅が他の通貨ペアとは大きく違うので、なかなかレバレッジを効かせた長期的なスイングトレード向きな相場とは言えないのではないでしょうか。
利益確定と損切り設定
ポジションを決済する際に、トレーダーに一生つきまとう課題である利益確定と損切りの話です。
特にゴールド相場においての、損切り設定の重要性についてまとめていきたいと思います。
結論から言いますと、損切りラインを決める際にも余裕を持たせる必要があります。
市場のサイクルの早さ、ボラティリティがダイレクトに影響する話は前述の通りですが、一言で言うと、

さぁ、どう予想通りに動いてくれるかなぁ。
(エントリー直後)

あれ、なんか思ってた動きじゃないかも。
どうしよう、もう少ししたら戻るかな・・・
(ポジション保有後、想定外の動きをし始める)
この「もう少ししたら・・・」という意識でポジションを保有してしまう癖が抜けていない人にはゴールド相場はお勧めできません。(本当に吹っ飛びますので・・・)
これは、特に含み損を抱えている時に陥りやすい心理状態ですが、相場の動きが激しい分、この心理状態で持ち続けて、損切り設定をあらかじめ設定しておかないと、口座の資金が飛んでしまう=ロスカットされるまでポジションを保有してしまうことに繋がってしまします。(体験談)

終わった・・・
(ロスカット後)
これがまだ含み益の場合であれば、得られるはずの利益は取れなかっただけかもしれませんが、そのトレードの反省を生かして、次に繋げることもできます。
含み損の場合は、精神面と資金面でのダブルパンチがくるので、次に繋げるためには精神力も必要ですが、程度によりますが、改めて資金の補填も必要になってきますので、すぐに復活できるかは人それぞれかと思います。
長く相場でトレードし続けていくためには、次のチャプターの話にも繋がりますが、あらかじめの損切り設定と資金管理の重要性が特に必要になる相場と言えます。
想定とは違う動きをすることは、別段ゴールドに限った話ではないと思いますが、ポジションを持ち続ける上で、含み益に繋がるための期待値をあらかじめ持って置けるような分析は必須で、即断即決とまでは言いませんが、早めの判断が致命傷を回避するスキルになってくることは間違いありません。
ボラが大きいゴールド相場では、損切りラインもFXよりも余裕を持たせないと、すぐに損切りラインまで到達してしまい、もったいない損切りを繰り返してしまうことも多くなってしまいます。
損切りラインを広く設定するということは、証拠金維持率につながるので、資金も多少余裕を持たせる必要があることは言うまでもありません。
(※当たり前ですが、あらかじめ設定しても、後々なんの根拠もなく設定したラインをずらしたりしてしまう行為もNGです)
これに関しては人それぞれになってしまいますが、20~30pips程度では、損切りにしろ利確にしろすぐ設定ライン触れてきてしまいますので、ご自身の手法やリスクリワードを考慮し、トレードを行うポイントの見極めが非常に重要になってきます。
損切り設定ももちろん大事ですが、まずはトレードにおいて自分の勝てる手法とリスクリワードを考慮した手法を一つでも身に付けていることが第一条件であることは、ゴールドもFXも同じ考え方です。
資金管理
ゴールドの相場では、相場を形成していく波が他の相場より大きい傾向があります。
その点を踏まえると、損切り設定ラインも多少広く取る必要があります。そうなりますと、資金面でも余裕を持っておくと言うことが必要になります。
リターンも大きい相場ということは、リスクにも多少寛容になる必要があるというわけです。
資金管理方法やルールについては、本当に人によって千差万別ではある話ですし、僕自身あまり資金管理という面では自分の型については決められていません。

なぜ決めていないかというと、単純な理由なので恐縮ですが、、
明確に決められるほどのトレードデータを3か月程度のトレード数では決めかねるからという理由からですが、一回のトレードベースで、リスクリワードを設定してトレードを行なっているので、あと半年くらいトレードを行えば、多少最適解が見えてくると思います。
その上で、初心者である自分が実践している方法をご紹介したいと思います。
資金管理についてこちらでも少し深掘りしてまとめていますので、よろしければ覗いてみてください。
口座を分ける(口座に入れる資金を限定する)
初心者の人にはこれを強くお勧めします。
なぜかというと、前述した通りで初心者の方ほど、ポジション保有後の損切りができない傾向が強いので、口座に入っている資金で損失を限定するという方法で、一番物理的で直接的な方法です。
新しいトレード手法を検証するときなどにも、比較的これが有効です。
金額は人によりますが、資金を分散するか、口座を分けることでリスクを回避できます。
最悪のケースを想定した時、「最大損失額=口座資金」と考えることができれば、初心者の人は目の前のトレードに夢中になってしまう傾向があるので、この方法が一番損失を抑えることができます。

ボラティリティの高いポンド系の通貨を扱う場合でも有効です!
せっかく他の通貨やゴールドで得られた利益を、一瞬で大きく狩られてしまう可能性があるうちは、この方法が比較的最小限のダメージに抑えられます。

いわゆるコツコツドカンのダメージも、ゴールドの相場では退場レベルで動いてしまうからです!
資金管理を意識することは、長期的には必要な考え方ですが、まずはリスク最小限でトレードで資金を増やし続けられる丁寧なトレードを重ねていくことが重要です。
トレードのロット数をコントロール
この方法はある程度自分が勝てる相場(勝率の高い)、手法を持っている人という条件になりますし、当たり前じゃんと思われるかもしれません。
資金をコントロールするということは、トレードにおいてはロット数がダイレクトに影響します。
初心者の方には資金がどれだけ潤沢だとしても、考える余地なく、最小ロットで相場になれる必要があります。(まずは勝てないといくら資金があっても無意味ですからね・・・)
わかりやすい資金管理方法としては、口座資金の〇〇%のリスクを許容する方法があります。
きっちり資金管理をされているトレーダーは、あらかじめ損切り設定をすることと話が共通しますが、自分の設定した損失許容額から損切りラインを導き出してトレードしている人は多いのではないでしょうか。(そうでないと資金を増やし続けられるロジックがありません)
トレードはギャンブルではなく、いかにギャンブル的な「丁」か「半」的な思考を取り除いていく分析と予測の世界なので、資金管理を無視したトレーダーで資金を増やし続けている人がいるならば、類稀なる強運な人(それはもうギャンブラー)だと思いますので、全く参考になりません。
稼ぎ続けているトレーダーでも、自分の勝ちやすい相場はあります。
というより勝てない相場ではトレードを行わないと思います。
言い換えるなら、勝率がその時その時の相場で違うはずなので、その際にリスクも考慮してロット数でコントロールする方法です。
そのためには、ご自身の日頃のトレードデータが必要になってきますので、一つ一つのトレードのデータの蓄積、記録はとても重要なので、思考のないトレードを重ねているだけでは資金管理の話は遠い話のままになってしまいます。
デモ口座
こちらは資金管理という話で書くか迷いましたが、僕自身、現在ゴールドトレードでこの方法をとっているわけではありませんが、いくつか新しい手法の検証や長期的なスイングトレードをする際にはこの方法を使っていますので、参考までに書き残しておきます。
この方法の最大のメリットは、負けても資金面ではノーダメージな点にあります。
ですので、しっかりとしたトレードを行える人であれば、この方法が有効な手段の一つであることは理解できる人は多いのではないでしょうか。
逆にノーダメージ故に、初心者の方にはケースバイケースな方法ではあります。
理由としては以下の画像の通りです。

上の内容は以下の記事の一部ですが、ゴールドに限った話ではなく、トレードする上でのスタンスについてまとめていますので、よろしければご一読を。
それでは!