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ゴールドトレードを始める前に知っておくべきこと[金の相場を把握する]

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株式相場と違って、FXトレーダーにとっては、相場の変動(ボラティリティ)が魅力の一つに捉えられることは多いです。

これはそもそも価格の変動差で利益を取る投機と相性がいいからです。

  • この記事でわかること
    1. 金(ゴールド)の商品としての特徴
    2. 金(ゴールド)の相場の特徴
    3. 金(ゴールド)の短期または中長期のトレード戦略

商品(コモディティ)CFD取引でも、人気かつメジャーなボラテリティが大きい相場の一つとして知られているゴールドについて、その特徴をまとめてみましたので、ご紹介したいと思います。

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商品先物等で短期売買または投資を行う上で、商品が持つ価値や特徴をあらかじめ知っておくことはとても大切です。

先にお伝えすると、トレード目線でのゴールド相場は初心者には全く向かない相場なので、トレードに慣れてから触れてみることをお勧めします。

金(ゴールド)が頻繁に取引される理由

金は、現金のリスクヘッジの回避先の一つで世界的に注目されている安全資産です。

金(ゴールド)の特徴として、素材としての加工のしやすさとその希少性が世界的に認知されて、安全資産として世界中の投資家が保有かつ、投機的な取引が頻繁に行われている金融商品の一つです。

金の価格は他の市場に対して、ある種独立した動きや価値を中長期で保つような特徴があるので、他の投資商品の回避先としても認知されています。

分かりやすい状況で表すと、世界的に不況(特に米国が絡むような)になると、安全資産として金の価値は高騰する傾向にあります。

ゴールドの魅力には、安全資産の側面とトレードにおいては、ボラティリティが他の通貨よりも比較的大きいため、差益で利益を得るようなCFD取引として魅力的な商品と認識されることも多いです。

ただ、相場の変動が大きいということは、魅力の一つにもなりますが、しっかりと相場の特徴を商品の特徴と合わせて、しっかり理解せずにトレードを行なってしまうと、魅力どころかリスクにしかなりませんので、しっかりと初めにゴールドの相場の特徴を理解することが必要になってきます。

金(ゴールド)の価格の変動要因

金(ゴールド)

金利

みなさん、当たり前に金利という言葉を使っていますが、改めてここで簡潔に説明すると、お金を借りた人が借りたお金に対して支払う利子の割合またはお金の使用料みたいな意味合いを指します。

投資をしている人としていない人で金利に対しての認識がだいぶあると思いませんか?
(というより全く気にしていないと言いますか、、)

価格の方向性を決める一つの要因で、信頼性の高いものとして金利との関係性が挙げられます。

金利が低い場合、現金や債券への投資に対するリターンが低い場合の回避先としての一つになる事も多い傾向にあります。

一方金利が高い場合は、景気も上昇方向に向かう流れが多いため、安全資産としての金の価値も下降する傾向にあります。

参考までに一般的に金利に影響されやすい金融商品のメジャーどころを一覧にしてみました。

金利の上下で影響する投資商品
※金利の上げ下げで影響する主要な投資商品一覧

世界的に見ても、日本はかなり長期的に超低金利が続いている国家です。
(海外から見てもそう認識されていますよね)


2021年ドル円のチャート
※2021年のドル円(USD/JPY)の日足のチャート

上図は2021年のドル円のチャートです。

年間を通して一方向性が続く相場は中々珍しいのですが、2021年当初は1ドル=104円台でした。
それが年間を通して見ると、緩やかな右肩上がりのチャート形成になっています。

12月末時点では1ドル=114円台後半と約10円の円安方向で進み続けていました。

2021年は年間を通して、ドル高/円安が続いた稀な年になったとも言えますね。

この流れは、2022年になっても続伸してて、2022年4月末時点で129円に到達してしまっている状況です。

言い換えると、円で資産を保有している人は、大きく目減りし続けているという状況です。

今年は新型コロナウイルスなど突発的な外敵要因もあるとは思いますが、円安の流れは止めるような要因が中々経済状況を見ていても見当たりません。

つまり、比較的にあまり価格も変動しない安全資産とも言われている日本円ですが、預金等で現金で保有しているだけでは、金利で増やしていくことはほぼ絶望的です。

日本人こそ金利を意識して、様々な投資に積極的にならないと将来的に資産を形成していくことが難しいわけです。

>[やらないと将来的に損失?]日本経済から見る投資の必要性を解説

金(ゴールド)に限らず、金利は投資商品と切っても切り離せない関係性にあります。

投資全般において日本はもちろんのこと、世界規模で金利を絡めた政策はどのように行われているか、その都度動向を追うことは投資を短期から中長期的に行う全ての人が見逃すことができない重要なファクターと言えます。

経済指標&突発的要因

ニュースイメージ

金に限らず、株式投資、為替など大きく動くタイミングが日々あります。

これはある種予測できるものと全く予測できないものの大きくは2つ存在します。

一つは、投資の世界では当たり前として捉えられているファンダメンタル(経済指標)です。
これは国や企業などの経済状態などを表す指標のことです。

代表的なものは金利政策やGDP、雇用統計など重要度の高い指標は数々あります。

各国の様々な政策の発表はあらかじめ決められているので、そのタイミングを注目して、相場が静かになったり、逆に激しく変動することはあります。

もう一つは突発的要因、分かりやすいところで、天災や今の状況下では新型コロナウイルスが顕著に相場に影響しているのではないかと言えます。

こういった外的要因の影響は投資商品によって、急騰や急落を起こします。

現在は世界レベルでコロナ禍という不測の事態が今でも中々収束していないですが、2020年の大流行時よりは明らかに収束傾向に向かっているので、経済正常化も進みつつあります。

2022年には、金の市場に流入する量と流出する量のバランスの転換が予測されます。

ただ、突発的な新型コロナウイルスのオミクロン株の流行の懸念などから数週間ぶりに高値を更新するなど、不測の状況が発生すると金の価格帯(価値)も大きく変動します。

特に先行きが見えない不況的な流れになると、ドル安へのリスクヘッジから金の市場に資金が流入し、価格が上昇する傾向が多いようです。

ファンダメンタル的な要因ですと、2021年の12月に行われた米国の金融政策を決めるFOMCにて、2022年の3月までに資産購入縮小(テーパリング)を早め、早期利上げを視野に入れるような発言、2022年に利上げを3回、2023年にも3回利上げを行うことを発表するなど金利も緩やかに上昇する動きがあります。

※FOMC
Federal Open Market Committeeの略。
連邦公開市場委員会のことで、アメリカの金融政策を決定する委員会のこと。
年に8回開催され、景気の状況に応じた発言や金利政策などの方針を発表していています。
為替相場はもちろん、株価などにも大きく影響を与える世界的な金融マーケットにおける重要な指標にされています。

こういった世界レベルで注目度の高い指標の前後は、いずれの相場にも何かしら大きく影響を与えることが多いので、外的要因としての経済指標の動向は常にチェックしておく必要性があると言えます。

ただ、初心者はどちらかというと内容をしっかり理解することよりも、指標発表時のタイムスケジュールを頭に入れつつ、その前後では資金管理面のリスクヘッジとして、トレードを行わないというような選択を取ることをお勧めします。

追々、その発表が分析している相場に対してどういった影響を短期的及び中長期的にしているのかを分析していくことで、それぞれの指標の重要性を感じていけば問題ないと考えています。
(僕もそうしています)

最近では、ロシアとウクライナの戦争が世界経済に大きな影響を与えています。

もちろん、ゴールドの相場もその影響は顕著に出ています。

参照:XAU/USD I時間足。(2022/01/01~)

ロシアのSWIFT排除されたことによって、かなり深刻な経済的な制裁が大きくなっています。
(経済的な核爆弾と比喩されるほどです)
これは、ロシアに対してお金のやり取りができなくなってしまったと言うことです。

※SWIFT
「Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication」の略で、1973年にベルギーで設立された銀行間の国際金融取引を仲介する協同組合です。日本をはじめ、200以上の国々が相互に金融機関を通じて、お金のやり取りを日々行なっています。

ロシアの法定通貨ルーブルも大きく価値が下がり続けている状況、原油をはじめとした燃料の価格高騰も世界的に大きな問題になっています。

ロシアのSWIFT排除により、現金の価値がなくなる懸念から、世界的に仮想通貨の代表格のビットコインに資金が流れも顕著に現れていました。

ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)デザー(USDT)、NFT作品のクリプトパンクスなど、様々な暗号資産で数日で50億以上の寄付金が世界から集まっています。

銀行を介さない新しい金融概念の真価の一端を世界的に知らしめた側面もありましたよね。

参照:TradingView(BTC/USD 2022/02/25~)

しかし、2022/03/03あたりから、大幅に下落しており、再び高騰前の価格帯まで戻ってしまっています。

デジタルゴールドと呼ばれているビットコインの世界的なポジションはまだまだ未知数ではありますね。

また、ロシア内で事業を行なっている関係諸国の企業が続々と撤退をしている流れも加速して、益々目が離せない深刻な状況が続いています。

米ドルの価値

米国ドル紙幣

投機的トレードにおいて、ドル建てで取引されることがメインの金と米ドルの相関性は一番高いと言われています。

一般的に、ドルの価値に対して金の価値は逆相関関係にあることが言われています。

これは先ほど説明した経済不況時にドルの価値が下がると金の価値が上がり、経済好調時にドルの価値が上がると、金の価値は下がるというものです。

ただ、必ずしも相場にダイレクトに反映されるわけではないので、短期的な取引の場合には特に注意が必要です。

相対的な分析手段として、ドルの価値を測るのに分かりやすい通貨だと、ドル円(USD/JPY)ユーロドル(EUR/USD)などのドル関連の通貨ペアの相場をチェックすることが、あくまで一つの期待値を高める上ですが、かなり重要なポイントになります。

補足で大局的な動きとして、

■金の相場変動
リスクオフ(リスク高めの資産から資金を流出させる)→金価格上昇
・リスクオン(リスクが高めの資産で積極的な投資に資金を流入)→金価格下落

リスクオンの一因として個人的見解ですが、現在過熱している仮想通貨などに資金を投入している投資家も少なくないのではないでしょうか。

トレードにおける戦略

短期的戦略

取引時間

基本的にドル建てでメイン取引されるゴールドは、相場のメインはニューヨーク市場>ロンドン市場>アジア市場>オセアニア市場の順で大きく動く傾向にあります。

したがって、日本時間では夕方から深夜にかけてがメインの取引時間になります。

もちろん、アジア市場でも動く事もありますが、短期的なトレードをする人はニューヨーク、ロンドン市場で取引することをお勧めします。

冬時間の現在は、ニューヨーク時間まで追うと深夜になってしまうので、大変ですが。
(相場の前場だけでも十分動きます)

金のトレードは、FXにおけるテクニカル戦略が金の相場でも応用できる事も多いです。

テクニカル取引メインで利益をあげているトレーダーであれば、ポンド系の通貨のボラティリティよりも動きのある金の相場でも、短期的に利益をあげる事も難しくないかもしれません。

実際にやってみないと実感できないかもしれませんが、1日ベースで見ても他のどんな通貨ペアの相場よりも上下に価格が動くので、本当に初めて触る人には、最小ロットかデモトレードでの取引を強くお勧めします。
(瞬殺レベルで資金を溶かす可能性大なので)

その上でボラティリティの激しさをプラスと取るかマイナスと取るかは人それぞれです。

経済指標

初心者でもある私も金の相場はメインで分析している相場の一つですが、常に意識しているのは、米国関連の重要度の高い経済指標の日時を抑えておくという事です。

まずは内容云々は正直抑える必要はな、指標の日時だけを把握するだけでいいと考えています。

なぜかは実際のチャートを見てみると分かりやすいです。

ゴールド相場
※2021年12月16日(日本時間で深夜4時)の米国FOMC発表時の金(XAU/USD)の15分足チャート

上記のチャートで赤い点線枠が米国FOMC発表時の相場です。
(黄色枠内が日々のニューヨーク市場でAMERICAの右記の数字は相場内の最大値〜最小値のpips幅です)

チャートは15分足ですが、大きく下ひげをつけたポイントがちょうど指標発表時のチャートの実際の動きです。

この日の注目度が別日の相場と比較しても大きく影響していることは一目瞭然です。
相場内の値幅も普段の2倍以上動いています。

特にニューヨーク市場で動くことの多い要因の一つとして、ゴールドに関する経済指標発表のタイミングと重なる点が多いも挙げられます。

重要度の高い経済指標に関しては、世界中の投資家が注目しているので、ダイレクトにチャートにそれが表れることが多いです。

瞬間的、短期的な動きは、実際の指標発表内容とは相関性のある動きに必ずしもならないので、飛び乗りなどは特に注意が必要です。

実際このタイミングでは、資産購入の縮小(テーパリング)、2022年の金利上げなどの金(ゴールド)としては価値が下がる要因が多い印象のニュースでした。

確かに瞬間的には大幅に下がっていますが、その後すぐ大幅に上昇しているチャートが形成されています。(いわゆるダマシだったのか、相場に大きく動かすまでにはいかなかったのか、、、)

厳密には指標発表時の前後の時間に大きく動く傾向にあることは他の通貨でも共通していますが、その中でも大きく変動するのが金の特徴なので、他の通貨ペアの間隔で損切りラインを設定していると、本当に瞬殺レベルで資金を失う可能性が高いです。

逆説的には瞬間的に稼ぐ事もできるとも言えますが、初心者の人にはお勧めしません。

なので、その日の経済指標のスケジュールを把握しつつ、重要度の高い指標があれば、静観するか小ロットで取引を行うことからスタートするのが無難です。

中長期的戦略

金(ゴールド)の取引に限らずですが、短期トレードと違って、中長期で保有するスイングトレードを行う場合は、いわゆるファンダメンタル(経済指標)の内容もかなり重要度の高い要因の一つになります。

短期的なトレードとは違い、指標の内容によって、中長期的な大きな流れを決めていく要因になっていくからです。もちろんそれだけでなく、テクニカル的な目線も当たり前ですが重要です。

保有する期間、タイミングにもよりますが、2022~2023年に利上げが行われることや、直近では新型コロナウイルスの収束傾向に向かっていることなど、金の相場にとって、経済的な上向きになる情報が多くなるということは大きく相場に現れやすい状況と言えます。

日々の経済状況を把握しながら、保有し続けるのか、一部決済したりすることが、利益を残せるか残せないかの分かれ道になります。

もちろん、相場にダイレクトに反映される事もありますが、テクニカル的な動きをする事がメインになるので、テクニカル的な目線を持ちつつ、経済の動きをチェックするという視点は他の通貨の取引と共通しています。

個人的にはなかなか今は長期保有するには、これから価値が大幅に上昇するファクターが少ない為、しばらくはレンジ相場で推移していくと考えているので、基本的にはデイトレードベースがメインの取引になっていくのではないかと考えています。

2016年から2022年1月13日までの金相場をベースに話していきたいと思います。
下記のチャートは週足表示の金の相場です。

※2016年~2022年1月前半までの金(ゴールド)の週足チャート

金の価値は、世界的にも認知されている安全資産の側面のある商品ですが、2016年〜2019年前半までは比較的レンジ帯で推移していることがわかります。
大幅に2019年半ば頃から金の価値が上昇し始めています。

これは、世界的な新型コロナウイルスが流行し始める兆候がきっかけの一つと予測できます。

日本では2020年に入ってから経済的に顕著に現れ始めましたが、世界的には少し前の2019年ごろには多少相場に影響を及ぼすくらいには話題になっていた時期にも重なります。

そういった突発的な要因が、金の相場を2020年8月頃の最高値になるまで、高値を更新し続けました。

こうした新型コロナウイルス級の世界的経済不況を超えるような出来事が立て続けに起きない限り、直近の高音を更新するような動きになることは予測しにくいので、現在はレンジ帯でのもみ合いの相場で推移しています。

ただ持っているだけがスイングトレードではないので、個人的にはデイトレードよりも難しいです。

日々の経済情報のキャッチアップや日々保有していることのプレッシャーに慣れないので、まだまだスイングトレーダーへの道のりは遠いです。。

その中でも金は相場の変動が一段と激しいので、初心者にはスイングトレードは中々厳しいかもしれません。

私もチャレンジしましたが、気が気じゃなくて、できませんでした。。。
(しばらくは無理ですね、きっと)

それでは!

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